家具職人ブール
1840年代にバルザックが執筆した『ジャーナリズム博物館』を、1986年に鹿島茂の訳で新評論が出版した。
その一文に、
ブール(13)が家具を作るのに似ている。
とあり、その注として、
(13)ブール 不明。少なくとも『人間喜劇』の中にはこの職人の名前は登場してない。
とあった。
一方、1987年に青土社から出版された『欲望の修辞学』多木浩二著には、
寄木細工の歴史は古いが、寄木細工を施した家具の黄金時代は十七、八世紀である。この時代の寄木細工はアンドレ=シャルル・ブールというルイ十四世時代の家具職人に代表され、「ブール」という名は固有名詞を脱してこの種の装飾をもつ家具のタイプの名称にまでなった。
とあった。
『ジャーナリズム博物館』で不明とされていた人物像を『欲望の修辞学』で知り、校正者が初めて誤植を発見したように小躍りして喜んだ。もう30年前になる。
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2016.06.17
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