「ビアズリーと日本」展
お盆に北陸新幹線に乗って金沢に行き、石川県立美術館で企画展「ビアズリーと日本」を見てきました。
ウィリアム・モリスが中世の手工業職人の世界を復古し、産業社会に対置しようとした運動は、やがて象徴主義やエキゾチシズムを取り込み、洗練されて英国アール・ヌーヴォーとなっていきました。そのアール・ヌーヴォーの代表的作家、オーブリー・ヴィンセント・ビアズリーは、「世紀末の異端児」と呼ばれ、わずか25年の生涯ながら美術史に大きな業績を残しました。劇作家オスカー・ワイルドの『サロメ』の挿絵は、皆さん一度はご覧になったことがあるかと思います。
浮世絵などの影響を受け、独自のほの暗さをたたえたビアズリーの作品が、今度は日本に逆輸入され、大正・昭和の数多くのイラストレーターやデザイナーの範となった流れがよく分かる展示でした。また『サヴォイ』や『イエロー・ブック』など、編集者としてのビアズリーの仕事も見ることが出来ました。ビアズリーと同時代に活躍したチャールズ・リケッツが出版した「ヴェイル・プレス」の作品も展示してあり、有意義な時間を過ごせました。
帰り際、ふと「ビアズリーが新幹線をデザインしたらどうなるのだろう?」と考えてしまいました。

Y
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2016.08.29
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