制作の目的
何のために・誰のためにつくるのか?
制作の意義と活用法
社史などに代表される「年史」は、組織のさまざまな活動の姿を歴史的視点からまとめたもので、その多くは周年を機に刊行されます。年史を刊行することの意義・目的はいったい何なのでしょうか? 何のために年史や記念誌をつくるのか。その考えを組織内で共有しておくと、後々の進行がスムーズです。代表的な年史発刊(制作)の意義と目的、メリットを紹介します。
歴史を記録する
卑弥呼や聖徳太子を見た人はいないのに私たちが知っているのは、歴史書に記述されていたからです。あらゆる出来事は記録されることで初めて、「歴史上の事実」として認識されます。
社会的な役割を明らかにする
組織の社会的責任(CSR)が重要視される近年、地域社会や業界発展への貢献など、社会へ果たしてきた役割などを明らかにすることで、イメージアップにつなげることができます。
存在意義と独自性を再確認する
歴史やその役割、目指す方向性を明らかにし、その存在意義と独自性を確認することは、組織に所属する方々の誇りやモチベーションの向上につながります。
先達を顕彰する
歴史を学ぶ意義は、成功や失敗の要因を知り、それを活かすことにあります。創業者や先輩など、困難を乗り越えてきた先達の歩みとノウハウを学ぶことは、後輩たちの大きな強みとなります。年史・記念誌は組織の今後の成長を助けるツールです。
対外的なPRを図る
年史・記念誌は優れたPRツールです。チラシや広告といった他のツールに比べ、各段に多くの情報を取引先や関係企業、団体、一般の方々などに提供することができます。
資料の収集・整備を図る
制作を通じて、散逸しがちな資料や記録、写真などを整理するとともに、見やすい形でそれらを公開することができます。
想定する読者
年史を誰に読んでいただくかは、年史発刊(制作)の目的と関係しています。
編集にあたっては、常に読者の顔を思い浮かべながら進めることが大切です。読者の身になって考え、まとめていくことが「読まれる本」づくりの第一歩です。読者層が明確になれば、どんな年史をつくるのかが決まり、発行部数を確定させることもできます。